文京区は住民参画(区民ワークショップ)を改めて行うことを決断!
竹早公園・小石川図書館を考える会
問題の所在
文京区は、現在、竹早公園・小石川図書館を一体的に整備する計画を進めています。
令和6年1月末に明らかになった「中間のまとめ」によって、その計画が「テニスコートを地上に5面維持」することを主眼としすぎた結果、図書館のメインフロアが地下化し、公園内に子どもたちが遊べる施設が減少するなど、多くの住民が納得できる内容でないことが明らかになりました。
この計画の策定過程で、住民参画は十分に行われていませんでした。
区は町会長を集め、7人に説明したことにより、町内全員に説明したことになると認識。
また、新しい小石川図書館を考えるワークショップが開かれましたが、そこで住民から「明るい」「公園が見える」「光あふれる」図書館が要望されていたにもかかわらず、現在の計画では、図書館のメインフロアは地下1階であり、せっかく南側に公園があるのに、公園の緑は見えず、日差しを感じることはできません。
そして、高さ22mまで建てられる場所なのに、「テニスコートに影を落とさないため」(「中間のまとめ」p44)に、建物は地上2階建てで計画されています。
しかも、建物の一番使い勝手の良い1階部分は、テニスコート利用者”専用”の「更衣室・シャワールーム・飲食可能なラウンジ」とすることが予定されており、1階には図書館としての機能はほとんど配置されていません。
図書館のメインフロアはあくまでも地下1階で、しかも、区の計画案では、地上部の面積が600㎡であるのに対して地下フロアが2300㎡を予定し「地上部分の建物面積を最小化でき、公園面積を最大化できる」として◎がついている図まであるのです。
地上には「テニスコートばかり最大面積である5面」
テニスコートの真下の地下に南からの採光が不可能な「地下図書館」
これでは、まるで図書館が「テニスコートのおまけ」のようです。
公園にはテニス以外のスポーツ施設は検討すらされていません。バスケットボールもフットサルもできません。予約なく自由に使える球技スペースもありません。
しかし、防球ネットのない広場では、ボール遊びはできません。
ですから、子どもたちが予約することなく自由にボール遊びできる場所が絶対に必要です。子どもたちを対象としたアンケートでも、「ボール遊びがしたい」という回答が多く寄せられていました。アンケートでは、「新しい公園に望むもの」として、小学生の28.8%が「ボールで遊ぶ」(第2位)、中学生の32.5%が「球技」(第1位)を挙げていたことからも、球技スペースの必要性は明らかです。(「中間のまとめ」p24~)
しかも、球技の内容としては「キャッチボールだけでなく、サッカー、バスケットボール等様々な意見があり、球技のニーズの高さが伺」われているのです。(「中間のまとめ」p24~)
にもかかわらず、「中間のまとめ」に示されているのは「テニスコートのみ5面」であり、多目的コートは検討されていないばかりか、現在あるキャッチボール場(壁打ちテニス場)すら公園のイメージ図から消えてなくなっています。
他方で、テニスコートに関しては、「テニスコートの占める面積が大きすぎるのでは」(「中間のまとめ」p25)という意見が上がっていたにもかかわらず、スポーツ施設がテニスコートだけでよいのか、多目的コートとするべきではないのか、を検討した形跡はどこにもありません。
「一体的整備」というのであれば、今、多くの住民から求められている施設をゼロから考えて計画するべきではないのでしょうか?
住民参画の下で、より多くの住民のために開かれた公園と、「文の京」にふさわしい小石川図書館を作ることを、考えるべきではないのでしょうか?
私たちは、まだまだ多くの住民に知られていない、この区の計画の現状を一人でも多くの住民に周知することに努め、住民参画により、より開かれた竹早公園・「文の京」にふさわしい小石川図書館の実現を目指して、活動を始めました。
図書館は地下へ?!
地上はテニスコート5面?!
公開された図面から、図書館のメインフロアが地下にあり、
地上にはテニスコートばかり5面が計画され、こどもの遊び場は減り
建物の1階はテニスコート利用者のためのクラブハウスであることが分かります!
参考:「竹早テニス倶楽部」問題
竹早テニスコートには、営業開始時間である朝8時よりも前に、早朝6時台からなぜか毎朝利用している人達が何年も前からいたことが分かっています。
しかも、この団体は、竹早公園・小石川図書館一体的整備に関する令和5年3月~7月の各方面へのアンケートに先立って、令和5年(2023年)2月10日に、文京区スポーツ振興課に対して「図書館および公園の一体化プロジェクトに関する竹早テニスクラブの希望」と題する要望書を提出していたことが、情報公開請求(令和6年9月9日開示)によって明らかになったのです。「テニスコート5面維持を前提」「クラブハウスを図書館の1階に」など、この要望書が「中間のまとめ」のプランの下敷きになった可能性が濃厚です。この要望書は本ページ下部に載せています。
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「竹早テニス倶楽部」というその団体は、文京区施設の
公式予約システムである「文の京 施設予約ネット」では予約できない、
営業していないはずの時間帯に、全く別の料金体系(年会費12,000円)で、予約のための抽選に申し込むことも要せず、平日は朝6時又は6時半~8時まで、土日は朝6時又は6時半~10時まで、特権的に竹早テニスコートを利用していたのです。
通常は2カ月前から申し込み、抽選に当たらないと利用できないテニスコートを、竹早テニス俱楽部のメンバーだけは、
年会費12,000円で、毎朝使い放題だったわけです。
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このような不当・不公平な利用実態があったことが、今回の竹早公園・小石川図書館の整備計画に何らかの影響を与えている可能性は否定できません。
文京区(スポーツ振興課)は、この団体によるテニスコートの特権的な利用を長年認識しながら放置してきたことを認めています。
早朝の利用は令和6年3月中旬から中止になったそうですが、だからといって、既に及ぼされた計画への影響が消えてなくなるわけではありません。
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区は、このような不公平利用のを放置してきた責任を重く受け止め、その反省に立った上で、より多くの公園利用者、こどもたちの球技ニーズに応えた公園整備計画を策定しなければなりません。